19世紀イタリアのピアノ音楽 その1 (その2以降があるかはわからない……)

 当ブログで取り上げて続けている19世紀の知られざるピアノ作曲家たちについてですが、今までに紹介をしていない作曲家も含めて、国別にまとめ記事を書いてみたいなどという思いがよぎりました。ただ、ドイツやフランスはあまりにも作曲家が多すぎてキリがなさそう。ということで、ピアノ音楽に関してあまり脚光を浴びていないイタリア、アルベニスやグラナドスといった作曲家が活躍する以前のスペインおよびポルトガル、ショパンと同時代のポーランド人作曲家あたりに関して書いていければと考えています。現段階では、それらの国の作曲家について大して調査をしたわけでもないので、本当に漠然と計画している状態に過ぎません。企画倒れになる可能性も大です。今回は、取り敢えず、手始めのような感じで、19世紀イタリアのピアノ音楽に関して前書きのようなものを書いてみました。続きがあることをあまり期待せずにご覧ください。

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Alexandre Billet (1817-?)

本日は、ロシア生まれのピアニスト・作曲家アレクサンドル・ビレ(Alexandre-Philippe Billet, 1817-?)の生誕200年ということで、彼の作品のMIDIを作成してみました。

ビレは、サンクト・ペテルブルクのフランス人一家に生まれ、1833年にはロシアを離れてパリ音楽院へ入学しました。初めはヴァイオリンを専攻していたそうですが、やがてピアノに転向しジメルマン(Wikipedia)の指導を受けています。1835年には、ピアノの選抜試験で二等賞を獲得しています。その翌年には音楽院を離れ、チェロを学んでいた兄弟(生年はおろか名前すらわからないので、兄なのか弟なのか判断できない)とともにジュネーヴを訪れ、そこで数年間を過ごしました。1841年にはイタリアへ行き、その後はロンドンに居を定め、ピアノ教師及び演奏家として活動しています。没年は不明ですが、J.D. Champlin Jr.の『Cyclopedia of music and musicians』によれば1888年の時点では存命だったそうです。

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Stefano Golinelli: Uno sguardo al cielo, Preghiera Op.170

今回は、「イタリアのバッハ」とも称された知られざるピアノの巨匠ステファノ・ゴリネッリの《空への一瞥, 祈り Uno sguardo al cielo, Preghiera Op.170》という作品を紹介します。彼の作品のMIDIを作成するのは、《吸血鬼の踊り, スケルツォ Op.52》と《愛と悲しみ, 夜想曲 Op.51》に続いて3曲目となりますが、今回の《空への一瞥》は後者のような旋律美を湛えた作品で、同い年のイタリアのピアニスト・作曲家ジュゼッペ・ウニア(Giuseppe Unia, 1818-1871, IMSLP)に献呈されています。

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Albert Loeschhorn (1819-1905)

ピアノ練習曲のみによって今日に名を残している作曲家は少なくありません。例えば、F.ブルグミュラーH.ベルティーニ、ル・クーペ、ベレンス、J.B.デュヴェルノワといった作曲家たち。今回紹介するアルベルト・レシュホルン(Carl Albert Loeschhorn, 1819-1905)もそのような一人でしょう。

レシュホルンは、音楽家の息子としてベルリンに生まれ、5歳から音楽を学び始めてたちまち才能を開花させました。1837年からはメンデルスゾーンの師として知られるルートヴィヒ・ベルガー(Wikipedia)に師事し、ベルガーの死後は王立教会音楽学校でA.W.バッハ(Wikipedia)、グレル(Eduard Grell, 1800-1886)、ベルガーの弟子であったキリッチギー(Rudolph Killitschgy, 1797頃-1851)の下で学習を継続しています。1851年にキリッチギーが亡くなると、レシュホルンはその後任の講師となり、1858年には教授に就任しました。また、彼は1846[1847?]年にシュタールクネヒト兄弟(Adolf Stahlknecht, 1813-1887, ヴァイオリニスト; Julius -, 1817-1892, チェリスト)とトリオを結成し、1853年にはロシアへの演奏旅行も実施し成功を収めています。

レシュホルンは、作品番号にして200に及ぶ作品を残しましたが、そのほとんどがピアノ曲で、サロン向けの小品の他、練習曲やソナタ、ソナチネのような教育的作品があります。また、『ピアノ文献の道標 Wegweiser in der Pianoforte-Literatur』(1862, J.ヴァイスとの共著)や『ピアノ文献の手引書 Führer durch die Klavierliteratur』(1885[1886?])のような著作も出版したそうです。

ちなみに、ピアノの発表会でお馴染みの《花の歌》の作曲者グスタフ・ランゲはレシュホルンの弟子の一人でした。

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Antoine de Kontski: 3 Méditations Op.71

今回は、ポーランド出身のピアニスト・作曲家アントワーヌ・ド・コンツキの《3つの瞑想曲 3 Méditations Op.71》から第1曲〈ため息 Un soupir〉を演奏してみました。

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