Antoine de Kontski: 3 Méditations Op.71

今回は、ポーランド出身のピアニスト・作曲家アントワーヌ・ド・コンツキの《3つの瞑想曲 3 Méditations Op.71》から第1曲〈ため息 Un soupir〉を演奏してみました。


「瞑想曲 méditation」というと、恐らく一番有名なのはマスネの歌劇《タイス》のものでしょう。他には、チャイコフスキーなどの作曲家が瞑想曲を書いています。また、グノーの有名な《アヴェ・マリア》も、元々は「S.バッハの前奏曲第1番による瞑想曲 Méditation sur le Premier Prélude de Piano de S. Bach」というタイトルの作品でした。

この「瞑想曲」というジャンルを確立した人物がコンツキではないかと私は考えています。彼の《3つの瞑想曲 Trois méditations Op.33》(ケルビーニに献呈)は、器楽曲に「瞑想曲」というタイトルを用いた最初の作品ではないかと私は推測しています。この作品は、Hofmeisterのカタログによれば1839年にマインツのショット(Schott)社から出版されたそうです。パリのメソニエ(Meissonnier)社からも出版されていますが、そちらはもっと早いかもしれません。Hofmeisterのカタログやフランス国立図書館の蔵書を検索してみた限りでは、器楽曲で「瞑想曲」と題された作品はこれが恐らく最古でした。声楽曲ならば、ニデルメイエール(Wikipedia)の《湖, 詩的な瞑想 Le Lac, Der See, Meditation poëtique.》という作品が同じ頃(やや早く?)に出版されているようです。

コンツキが、「瞑想曲」の創始者であるかどうかはともかく、彼がこの曲種にこだわりを持っていたのは確かであるように思われます。彼は、Op.33や今回演奏したOp.71の他にも瞑想曲を多数書いています。WEB上で楽譜を閲覧できるものだけでも以下のようなものがありました。

3つの瞑想曲 Op.31
3つの瞑想曲 Op.42 (叱責, 出発, 郷愁)
孤独, 瞑想曲 Op.47
3つの瞑想曲 Op.71 (ため息, 2つの涙, 夏の夜)
小枝, 瞑想曲 Op.93
ハープサルの廃墟, 瞑想曲 Op.174
ペテルブルグの思い出 - No.1 瞑想曲, 若い娘の涙 Op.207


今回演奏した《ため息 Op.71-1》は、4ページの小品でありながら、pppからfffまで用いられた強弱の切り替わりが激しい曲です(私の演奏がそれを表現できていればよいですが……)。構成は、 A - B - A' - C - Coda といった感じです。A'は、右手に2オクターブの跳躍が3回現れる上に左手も少し忙しく弾くのが厄介です。Cは、con impeto(激情をもって)、grandioso(雄大に)、con tutta la passione possibile(可能な限り全ての熱情をもって)といった発想標語が記され、そしてfffとpppの両方が現れるという非常に劇的な楽想です。コーダは、Aの冒頭2小節のモチーフが、下属調の属和音及び減七の和音の上で、不穏な低音のトリルを挟みながら繰り返されます。



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