Stefano Golinelli: Uno sguardo al cielo, Preghiera Op.170

今回は、「イタリアのバッハ」とも称された知られざるピアノの巨匠ステファノ・ゴリネッリの《空への一瞥, 祈り Uno sguardo al cielo, Preghiera Op.170》という作品を紹介します。彼の作品のMIDIを作成するのは、《吸血鬼の踊り, スケルツォ Op.52》と《愛と悲しみ, 夜想曲 Op.51》に続いて3曲目となりますが、今回の《空への一瞥》は後者のような旋律美を湛えた作品で、同い年のイタリアのピアニスト・作曲家ジュゼッペ・ウニア(Giuseppe Unia, 1818-1871, IMSLP)に献呈されています。




曲の構成は、
序奏 - A - B - A' - B' - A'' - コーダ
というシンプルなものです。

陽光が降り注ぐ青空よりは星が輝く夕べの空を思わせる作品で、冒頭のアルペジョによる装飾音は星の瞬きを想起させます。その後、コラール風のモティーフに続いて、腕の交差を含む左手の伴奏に乗せて甘美な旋律が歌われます(A)。Bでは、短調となり、せわしない32分音符の動きが、不安や悲しみを感じさせます。A'は、三段譜で書かれており、メロディーが3オクターブを隔てたユニゾンで演奏されるのが特徴的です。また、内声の伴奏の和音も1オクターブの完全なユニゾンとなっています。B'でもメロディーがユニゾンとなっていますが、間隔が2オクターブに縮まります。A''では、アルペジョの伴奏に乗せてトレモロで奏でられるメロディーが星降る夜空を思わせます。そして、コーダで序奏のモティーフが再現され穏やかに曲が終わります。

個人的には、この作品は《愛と悲しみ Op.51》に匹敵するほどの大傑作とまではいかないと思いますが、不安や悲しみを湛えたBの楽想や、A'の3オクターブのユニゾンなど、惹き付けられる要素は十二分にある作品だと思います。

楽譜はスペイン国立図書館のサイトで閲覧できます。

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