19世紀イタリアのピアノ音楽 その1 (その2以降があるかはわからない……)

 当ブログで取り上げて続けている19世紀の知られざるピアノ作曲家たちについてですが、今までに紹介をしていない作曲家も含めて、国別にまとめ記事を書いてみたいなどという思いがよぎりました。ただ、ドイツやフランスはあまりにも作曲家が多すぎてキリがなさそう。ということで、ピアノ音楽に関してあまり脚光を浴びていないイタリア、アルベニスやグラナドスといった作曲家が活躍する以前のスペインおよびポルトガル、ショパンと同時代のポーランド人作曲家あたりに関して書いていければと考えています。現段階では、それらの国の作曲家について大して調査をしたわけでもないので、本当に漠然と計画している状態に過ぎません。企画倒れになる可能性も大です。今回は、取り敢えず、手始めのような感じで、19世紀イタリアのピアノ音楽に関して前書きのようなものを書いてみました。続きがあることをあまり期待せずにご覧ください。





 ルネサンスの発祥の地であり、古くから文化芸術の中心を担ってきたイタリア。音楽においては、ルネサンス初中期こそブルゴーニュやフランドル出身の音楽家が中心となって活躍したものの、後期になるとパレストリーナやモンテヴェルディといった巨匠が現れました。17世紀には、バロック音楽の中心地として諸国に大きな影響を与え、コレッリ、スカルラッティ、ヴィヴァルディ等の音楽家を輩出しています。また、音楽史上最初のオペラが書かれたのも、ピアノという楽器が生まれたのもイタリアにおいてでした。18世紀後半の古典派の時代になると、今日でも音楽の都として名高いウィーンが重要な役割を果たしますが、19世紀には、ロッシーニ、ドニゼッティ、ベッリーニ、ヴェルディといった作曲家たちのオペラが国内外で大変高い人気を獲得しました。一方、19世紀の器楽作品はというとどうでしょう?前述したオペラ作曲家たちが器楽曲を全く書いていないというわけではありませんが、あまり知られていないというのが現状ではないでしょうか。19世紀イタリアのピアノ作品に関しては、今日演奏会のレパートリーに残っているものはほとんどないといっても過言ではないかもしれません。では、19世紀のイタリアはピアノ音楽の不毛の地であったのでしょうか?いや、決してそうではないと私は確信しています。

 19世紀イタリアのピアノ音楽について書く際に、このような前口上を述べるのは数回目となるので、もし、当ブログを何度もご覧になっているというような方がいましたら、くどく感じられたかもしれません。

 19世紀イタリアのピアノ音楽を知るにあたって、大きく参考になりそうなのが、20世紀初頭に出版されたLuigi Alberto Villanis(1863 - 1906)による『イタリアにおけるピアノ技法(クレメンティからズガンバーティまで)L'arte del pianoforte in Italia (da Clementi a Sgambati)』という著作です。しかしながら、私はイタリア語が全く読めません。もちろん、きちんとした理解をするには本文を最初から最後まで読むべきでしょうが、部分的に機械翻訳に頼りつつ読んで作曲家に関する情報を少し得るだけでも十分に参考になりそうな気がします。この本には、他の文献にはほとんど情報がないような作曲家に関する記述が多数あるのです。特に、巻末にあるイタリアのピアノ音楽作曲家の一覧表は、イタリア語が全くわかなくても、19世紀イタリアにどのような名前の作曲家がいたのかを知る足掛かりとして役立ちました。ここで知った名前をGoogleや電子図書館で検索して、楽譜などを探していくというわけです。ただし、残念ながら、検索しても全然(WEB上で無料公開されている)楽譜が見つからないという作曲家も少なくありません。どうやら、イタリアのピアノ作曲家の作品は、イタリア国内だけで出版され、国外の出版社からは刊行されていないというケースが多いように思われます(きちんと調べたわけではないですが)。イタリアの図書館には彼らの作品が多く眠っているのかもしれませんが、イタリアの図書館で楽譜をスキャンしてWEB上に公開しているところはあまり多くないので、なかなか出会うことができないのかもしれません。

 以下は、『イタリアにおけるピアノ技法』の巻末の一覧表に記載された作曲家です。名前の表記や生没年は原文ママで、正確なデータとは異なる可能性があります。

Gio. Battista Grazioli (1750 o 53 – 1820)
Amedeo Rasetti (1754 – 1799)
Maria Luigi Cherubini (1760 – 1842)
Francesco Pollini (1763 – 1846)
Bonifazio Asioli (1769 – 1832)
Ferdinando Päer (1771 – 1839)
Francesco Lanza (1783 – 1862)
Antonio Fanna (1792 – 1845)
Carlo Soliva (1792 – 1853)
Enrico Bertini (1798 – 1876)
Luigi Truzzi (1799 – 1864)
Antonio Angeleri (1801 – 1880)
Ernesto Coop (1802 – 1879)
Nicola Nacciarone (1802 – 1876)
Gaetano Corticelli (1804 – 1840)
Michele Cerimele (1806 – 1887)
Giuseppe Concone (1810 – 1861)
Giuseppe Filiberto Marchisio (1813 – 1893)
Teodoro Döhler (1814 – 1856)
Gioachino Maglioni (1814 – 1888)
Giovanni Menozzi (1814 – 1885)
Giuseppe Lillo (1814 – 1863)
Francesco Ferraris (1816 – ...)
Adolfo Pescio (1816 – 1901)
Teodulo Mabellini (1817 – 1897)
Giuseppe Unia (1818 – 1871)
Alessandro Sala (1818 – 1890)
Stefano Golinelli (1818 – 1891)
Alessandro Biagi (1819 – 1884)
Carlo Andrea Gambini (1819 – 1865)
Angelo Panzini (1820 – 1886)
Francesco Tessarin (1820 – ...)
Raffaele Billema (1820 – 1874)
Filippo Fasanotti (1821 – 1884)
Luigi Albanesi (1821 – 1897)
Luigi Arditi (1822 – 1903)
Baldassare Gamucci (1822 – 1892)
Michele Tinto (1822 – 1899)
Lucio Campiani (1822 –
Vincenzo De-Meglio (1825 – 1883)
Francesco Sangalli (1826 – 1892)
Disma Fumagalli (1826 – 1893)
Michele Ruta (1827 – 1896)
Ferdinando Bonamici (1827 – 1905)
Luigi Luzzi (1828 – 1876)
Giovanni Poppi (1828 –
Luigi Vannuccini (1828 –
Carlo Rossaro (1828 – 1878)
Adolfo Fumagalli (1828 – 1856)
Pietro Formichi (1829 –
Polibio Fumagalli (1830 – 1900)
Filippo Filippi (1830 – 1887)
Salvatore Giannini (1830 –
Paolo Serrao (1830 – 1907)
Matteo Luigi Fischietti (1830 – 1880)
Giuseppe Enrico Marchisio (1831 – 1903)
Vincenzo Antonio Petrali (1832 – 1889)
Giuseppe Marcarini (1832 – 1905)
Tommaso Benvenuti (1832 – 1906)
Stanislao Favi (1833 –
Giuseppe Gariboldi (1833 –
Luigi Vespoli (1834 –
Cesare Sanfiorenzo (1834 –
Angelo Tessarin (1834 –
Giovanni Morganti (1835 – 1903)
Guglielmo Andreoli (1835 – 1860)
Ettore De-Champs (1835 – 1905)
Michele Saladino (1835 –
Vincenzo Saetta (1836 –
Giorgio Miceli (1836 –
Guglielmo Nacciarone (1837 –
Luca Fumagalli (1837 –
Carlo Andreoli (1840 –
Giusto Dacci (1840 –
Paolo Truzzi (1840 –
Giulio Ricordi (1840 –
Giovanni Rinaldi (1840 – 1895)
Tito Mattei (1841 –
Giuseppe Menozzi (1841 – 1896)
Giuseppe Pratesi (1841 – 1903)
Edoardo Perelli (1842 – 1883)
Francesco Simonetti (1842 – 1904)
Ferdinando Coletti (1843 – 1876)
Ernesto Sebastiani (1843 –
Giovanni Sgambati (1843 –
Ugo Errera (1843 –
Nicolò Celega (1844 – 1906)
Gustavo Tofano (1844 – 1899)
Ernesto Becucci (1845 – 1903)
Paolo Canonica (1846 – 1902)
Giovanni Froio (1847 –
Pietro Abbà Cornaglia (1851 – 1894)
Alfredo Catalani (1854 – 1893)
Niccolò Van Westerhout (1862 – 1898)


 次回(もしあれば)からは、19世紀イタリアのピアノ作曲家およびその作品について、上記の表に載っていない作曲家も含めて、楽譜や音源などへのリンクを貼りつつ、私がわかった範囲でいろいろと書き連ねていきたいと思います。現時点でほとんど準備はできていないので、計画倒れになる可能性もありそうですが……。
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