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Ferdinand Friedrich (1823-1892)

本日はクリスマス・イヴということで、ドイツのピアニスト・作曲家フェルディナント・フリードリヒ(Ferdinand Friedrich, 1823-1892)による《クリスマス=アルバム, 3つの幻想トランスクリプション、5つのコラール、1つのガヴォット Weihnachts-Album, Drei Fantasie-Transcriptionen, 5 Choläre und 1 Gavotte Op.678》の第1曲〈静かな夜、聖なる夜 Stille Nacht, heilige Nacht〉を録音してみました。お馴染み「きよしこの夜」の初級者向けの平易な編曲です。

フリードリヒについては、以前「作品番号(Op.)が500を超える作曲家たち」の記事で名前を取り上げました。彼は、Op.679までの作品を残しているため、今回録音した《クリスマス=アルバム》は、その一つ前の作品番号に当たる最晩年の作品ということになります。


この作曲家についてもっと調べてみようとしたものの、彼について記載がある音楽事典はほとんどありませんでした。しかし、フェティスの『Biographie universelle des musiciens』 には、E. F. Friedrichという人物の項目がありました。内容は以下の通りです。

マクデブルクのピアニスト、及びその楽器の教師。いくらかの時期をパリで過ごし、そこでショパンのレッスンを受けている。1844、1845、1846年に、ハンブルク、ベルリン、ドレスデンへ旅行し、そこでコンサートにおいて演奏して成功を収めた。この芸術家の作品には、ロンド、練習曲、行進曲、ピアノのためのロマンス、同楽器のための様々な様式の多数のバガテルがある。

F.J. Fétis 『Biographie universelle des musiciens』 第3巻 p.341

フェティスの事典では、ファーストネームがイニシャルしか書かれておらず、生年も記載されていないので、これがフェルディナント・フリードリヒのことであるのか確証は得られません。Hofmeisterのカタログを見ると、1840年代後半に、Ed. Ferd. Friedrichという作曲家が名前が現れていますが、マクデブルクのHeinrichshofen社からいくらか作品が出版されていることからして、これらについてはフェティスの言及しているE. F. Friedrichのものと考えてほぼ間違いないと思います。1850年代には、Ferd. Friedrichという名前の作曲家が現れ、主にハンブルクの出版社から作品が上梓されていますが、Heinrichshofen社から出版されているものもいくらかあります。Ed. Ferd. FriedrichのOp.49が1848年、Ferd. FriedrichのOp.60が1854年に出版されているのが確認でき、作品番号の順序・時系列的に両名が同一人物であるということは十分に考えられそうです(6年の間に作品番号にして10作品しか書かれていないのは少ない気もしますが)。ということで、フェティスが取り上げているE. F. Friedrichが、今回録音したフェルディナント・フリードリヒである可能性は高いと思います。

それにしても、この作曲家がショパンの教え子であった(かもしれない)というのは意外でした。残念ながら(?)、今回録音した作品は初級者向けの小品のためショパンの系譜を垣間見ることはできません。作品番号が679にまで達しているにも関わらず、私が楽譜を確認できたのは僅かしかなく、この作曲家については実態が掴めていない状態です。初期の作品には、表題等から判断するにもっと本格的なものがありそうなので見てみたいものです。「私のショパンとの別れ Mes Adieux de Chopin」(Op.6-1)と題された作品などが気になります。

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