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Gustav Lange: Frühlingsglaube, Lyrisches Tonstück Op.469

19世紀の知られざる作品の楽譜を入手するのにあたって、これまで私はIMSLPや世界各地の図書館などがWEB上に無料公開しているデジタル化楽譜に頼るのがほとんどでしたが、ついに、海外の古書店などから19世紀の楽譜の実物を購入してみることに挑戦しました。注文した10点近くの作品のうち、最も弾きやすいかった一曲を録音してみました。


録音したのは、《花の歌》などのサロン小品で有名なグスタフ・ランゲの《春の信仰, 叙情的小品 Frühlingsglaube, Lyrisches Tonstück Op.469》です。作品番号から判断して、かなり後期の作品です。

ランゲの作品番号は少なくとも493にまで到達していますが、Hofmeisterのカタログによれば、Op.400以降(Op.420前後以降?)の大部分はランゲの没後に出版されているようです。それらは没後に一気に出版されたというわけではなく、1889年から1900年頃にかけて出版されていったもようです。今回録音した《春の信仰, 叙情的小品 Op.469》は、1895年出版されたようです。楽譜を見たところ、「遺作」などとの記載はありません。

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▲Gustav Lange 《Frühlingsglaube, Lyrisches Tonstück Op.469》 Bote & Bock社の出版譜


曲の内容はというと、非常にグスタフ・ランゲ作曲という感じがするサロン小品です。



ランゲの作品は、[A] - [B] - [A] - [C] - [A]のロンド形式で書かれたものが多く、大体の場合、[B]は属調か平行調、[C]は下属調で書かれ、[B]より[C]の方が大規模で主部とのコントラストが大きいものとなっています。ランゲの代表作である《エーデルワイス Op.31》や《花の歌 Op.39》、《アルプスの山小舎にて Op.240》もこれに当てはまりますし、今回演奏した《春の信仰 Op.469》もこれに該当します。もっとも、この形式はランゲ特有のものというわけではなく、当時の王道だったと思われます。例えば、アルベルト・ユングマンのヒット作《郷愁 Op.117》も同様の形式です(ランゲはこの曲の影響を受けているかも?)。とはいえ、ランゲがこの形式をかなり好んで用いていたのは間違いなさそうです。

また、ランゲっぽさを感じるのは恐らく形式からだけではないと思います。具体的に説明できないですが、メロディーの歌いまわしや伴奏形などにもランゲ節が顔を見せているのかもしれません。

サロン音楽というものは、大衆に受け入れられなければならないという性質上、独創的な書法が用いられにくいものですが、それでも作曲家の特徴というものは結構現れるものだと感じました。


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