Henri Bertini (1798-1876)

bertini.jpg
▲Henri Bertiniの肖像 Gallica / Bibliothèque nationale de France より 加工・転載

フランスのピアニスト・作曲家アンリ・ベルティーニ(Henri-Jérôme Bertini, 1798-1876)は、ピアノのためのいくらかの練習曲集によって今日に名を残しています。例えば、Op.100の練習曲集とOp.101の小品集が全音楽譜出版社から発売されています。また、Op.29およびOp.32の練習曲集は、恐らく日本では出版されていませんが、海外では今日でも親しまれているようです。

ベルティーニは、ロンドンで生まれましたが、生後6か月の頃にはパリへと移りました。父およびクレメンティの薫陶を受けた兄ブノワ=オーギュスト(Benoît-Auguste Bertini, 1780-1843以降)の指導を受けて才能を伸ばし、13歳の頃には父に連れられてベルギー、オランダ、ドイツへ演奏旅行しています。それから、パリに戻ると作曲の勉強に励み、その後イギリスやスコットランドを訪れましたが、1821年にはパリに定住し、第一級の作曲家および演奏家として名声を築きました。1859年には、グルノーブル近郊のメラン(Meylan)に隠退し、自らが会長を務める合唱協会のためにミサ曲や合唱曲を書きながら晩年を過ごしています。

ベルティーニの演奏は、兄を介して伝えられたであろうクレメンティの明瞭な技巧とフンメルやモシェレスの流派に属するフレージングの手法を併せ持っていたといわれています。一方、カルクブレンナーやエルツのような華麗な様式とは距離を置いていたようです。

ベルティーニはOp.にして180に及ぶ作品を残しましたが、今日では、既に述べたような練習曲集が数点知られているにすぎません。しかし、彼はそれら以外にも練習曲集を多数残したほか、ロンドや幻想曲などといったピアノ曲も多数書いています。さらには、室内楽曲や交響曲なども手掛けています。



25の性格的練習曲 25 études caractéristiques Op.66 より No.2, No.17

ベルティーニのOp.66の練習曲集は今日では全く知られていませんが、今日親しまれているものよりも高度な内容を持った作品です。PTNAにある上田泰史さんの解説によれば、この練習曲集は1828年に出版されたもので、「性格的」という形容詞が冠された練習曲の最初期の例だそうです。


No.2は、曲中に幾度か現れるドローンのように保続されるD音や飛び跳ねるような曲調が民族舞曲のような雰囲気を醸し出しているように思えます。




No.17は、オクターブや和音連打の練習曲で、ワルツ風の甘美な中間部を挟んで、激烈で緊迫感を持った音楽が繰り広げられます。





スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。