Joseph Küffner: Japanische Weisen gesammelt von Ph. Fr. von Siebold

今回、録音をしたのは《Ph.Fr.vonシーボルトによって収集された日本の旋律 Japanische Weisen gesammelt von Ph. Fr. von Siebold》という作品です。

題名にあるシーボルトとは、鳴滝塾を開き日本に西洋医学を伝えたフィリップ・フランツ・フォン・シーボルト(Philipp Franz von Siebold, 1796-1866)のことです。彼が日本滞在中(1823-1829)に採譜した民謡を、ドイツの作曲家ヨーゼフ・キュフナー(Joseph Küffner, 1776-1856)がピアノ用に編曲したのが今回紹介する《日本の旋律》という作品で、1836年にオランダのライデンで出版されました。この楽譜には、誤植と思しき箇所が散見されるのですが、録音に際しては適当に修正をして演奏しています。

全部で7つの曲から成る曲集で、楽譜が一段のみの非常に短い曲(第3曲、第6曲)も含まれています。また、第2番には声楽パートが付いていますが、同じメロディーがピアノパートで拾われているので、歌なしでも問題なく演奏できます。なお、声楽パートの歌詞は以下のようなものです。

Anokomitasani jorekorekorewatosa 
siwokakarinana
Boosunikapore


「Anokomitasani」は「あの子見たさに」、「Boosunikapore」は「坊主にかっぽれ」(「かっぽれ」は大道演芸の一種)だと思われますが、「siwokakarinana」とは一体何ぞや……?

いずれの曲も西洋的な和声・リズム付けがされているため、日本的な要素はあまり感じられませんが、曲がりなりにも日本の音楽が西洋に伝えられた最初期の例として歴史的には興味深い作品だといえます。

ちなみに、ピアノ教則本でお馴染みのフェルディナント・バイエルは、この《日本の旋律》の第5曲と第2曲を基にして、《日本の舟歌》(《祖国の歌》第37番)という作品を書いています。






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