Ernesto Antonio Luigi Coop (1812-1879)

当ブログでは、19世紀イタリアのピアノ音楽の作曲家として、これまでにテオドール・デーラーステファノ・ゴリネッリジュゼッペ・コンコーネの3名を紹介しました(デーラーはドイツの作曲家として扱われることもありますが、生まれたのも亡くなったのもイタリアです)。今回は彼らと同時期にイタリアで活躍したエルネスト・アントニオ・ルイジ・クープ(Ernesto Antonio Luigi Coop, 1812-1879)の作品を録音してみました。

クープは、1812年にシチリア島の港町メッシナで生まれました。姓から察するに、イギリス系だと思われます。生年は1802年としている資料もありますが、1799年生まれ(1795年生まれ説などあり)のマリオ・アスパに師事をしているということを考えると、1812年生まれである可能性の方が高いのではないかと私は思います。

クープは、ルッキーニ(Lucchini)という名のテノール歌手から音楽の手ほどきを受け、その後、42作もの歌劇を書いた作曲家アスパ(Mario Aspa, 1799?-1868)とマッツァ(Mazza)に師事し、若くしてヴィルトゥオーゾ・ピアニストとして名を挙げました。1866年からはナポリ音楽院で教鞭を執っています。

クープは、作品番号にして130に及ぶピアノ曲を残しましたが、そのほとんどがピアノ曲で、歌劇の主題に基づいた幻想曲や奇想曲のほか、夜想曲やロマンスなどといったサロン小品があります。いくらか楽譜を眺めたところ、今回演奏した《悲しき想い, 夜想曲 Op.50》(参考楽譜)のような愛好家向けの手頃な難易度の作品もあれば、タールベルクに献呈された《愛の対話, 歌 Amoroso colloquio, Canto Op.92》(参考楽譜)のような上級者向けの作品もあるようです。Pazdírekによる作品目録を見て気になったのは、《カール・チェルニーの思い出に, 即興曲 Alla memoria di Carlo Czerny, Impromptu Op.82》や《3台ピアノ10手のための演奏会用大幻想曲 Grande Fantasia di Concerto per 3 pianoforte a 10 Mani Op.102》と題された作品です。一体どのような曲なのでしょう?



悲しき想い, 夜想曲 Pensiero lugubre, Notturno Op.50

陰鬱ながらも熱情的な変ロ短調の夜想曲です。朗々としたメロディーにはイタリアらしさが表れているような気もします。三部形式で書かれており、中間部は同主調によるコラール風の曲調で、再現部ではメロディーがトレモロで抑揚豊かに歌われます。人気があった作品なのか、バルテローニ(Angelo Bartelloni)という人によるヴァイオリンとピアノのための編曲も出版されているようです。






19世紀のイタリアのピアノ音楽、特にズガンバーティ以前の世代については今日ではほとんど顧みられることはありませんが、ゴリネッリやデーラーそして今回紹介したクープなどの作品を見てみると、まだまだ魅力的な作品が眠っているような気がします。



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