Henri Herz (1803-1888)

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▲Henri Herzの肖像 Gallica / Bibliothèque nationale de France より 加工・転載

アンリ・エルツ(Henri Herz, 1803-1888)は、ウィーン出身のピアニスト・作曲家です。父親から音楽の手ほどきを受けた後、コブレンツでダニエル・ヒュンテン(Daniel Hünten, 1760-1823)に師事。1816年にはパリ音楽院に入学。それから、モシェレス(Ignaz Moscheles, 1794-1870)を手本に研鑽を積み、当代最高峰のピアニストとしての地位を獲得しました。

エルツの活動は、演奏家や作曲家としてだけに止まりませんでした。1842年には、母校パリ音楽院にてピアノの教授に就任し、1874年までの間、後進の育成に貢献しています。また、ピアノ製造工場も運営し、プレイエルやエラールといった名立たるメーカーに匹敵する優れた楽器を造り出し、1855年のパリ万博で一等賞を獲得しています。さらには、1846年から1851年にかけて行ったアメリカ演奏旅行での体験を著書「我がアメリカ旅行(Mes voyages en Amérique)」(1866)に記し、著述家としての評価も集めています。

このように、19世紀の音楽界で幅広い名声を獲得したエルツですが、シューマンは、彼を俗物音楽家として痛烈に批判し、「エルツには心(Herz)がない」という言葉も残しています。しかし、このように槍玉に挙げつつも、若き日のシューマンは、エルツの作品から影響を与えられていたようです。例えば、未完成の「ピアノ協奏曲ヘ長調」は、エルツの「ピアノ協奏曲第1番 Op.34」を手本にしているといわれています。

作品は、ピアノ曲が中心で、歌劇などの主題に基づいた華麗な変奏曲や幻想曲がその多くを占めています。他には、サロン小品やパリ音楽院で教材として採用された練習曲集などがあります。また、ピアノ協奏曲も8曲残しました。



全ての調による前奏曲と練習曲 Exercices et Préludes dans tous les tons majeurs et mineurs Op.21 より 第4番, 第24番

フンメル(Johann Nepomuk Hummel, 1778-1837)に献呈された曲集。第24番は、3声によるフーガで、軽快で華麗な音楽を多く書いたエルツには珍しいシリアスな一面が垣間見れます。


川のほとりで, 変奏曲 Sul Margine d'un Rio, Varié Op.38

主題に用いられている「Sul Margine d'un Rio」は、イタリアの民謡。


北方の美女, 6つポルカ Les belles du Nord, Six Polkas Op.140 より 第6番 ボヘミアの美女 La belle Bohêmienne

可愛らしい連弾曲です。


新しいティロリエンヌによる変奏曲 Nouvelle Tyrolienne variée Op.154

Op.38と同様、華麗な技巧が繰り出される変奏曲です。


 

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